地方版スモールM&Aの未来予想図

「今後、地方のM&Aはどうなっていくんだろう?」

そんなことを考える機会が増えました。地方、と言っても場所によってまちまちかと思いますが、今回は地元である茨城県(つくば市)における、M&Aの傾向、未来予想図を考えてみました。


①M&Aの方法として株式譲渡は少なくなり、事業譲渡ばかりになる!?

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※株式譲渡とは?(超ざっくり説明)
会社丸ごとの譲渡です。会社の全てを引き継ぐ事になるので、資産も引き継ぎますが、借入などの負債も引き継がなければなりません。そこにはリスクが潜んでいる可能性が大いにあります。ただ、会社丸ごと引き継げるので、手続きは楽ちんです。

※事業譲渡とは?(超ざっくり説明)
会社丸ごとは引き継がず、自分の欲しいものだけチョイスして引き継げる譲渡方法です。リスクはヘッジできます。ただ、手続きが面倒です。
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世の中のM&Aに占める株式譲渡の割合は40%くらい、事業譲渡の割合も40%くらいとなっており、世の中的に株式譲渡と事業譲渡の割合は同じくらいとなっています。感覚的には、大企業におけるM&Aはほとんどが株式譲渡で、中小零細企業におけるM&Aには事業譲渡がよく採用されている、そんなイメージです。

それはなぜでしょうか?
おそらく、中小企業オーナーの属性による部分が大きいと思います。

昨今隆盛を極めている中小零細企業のM&A(スモールM&Aなどと呼ばれています)では、売り手企業の財務状況が優良であるケースは少ないです(意図的じゃなくとも、とんでもないリスクを内在していることがあります)。
 
となると、リスクを丸っと継承する株式譲渡ではなく、リスクを限定する事業譲渡の方が安心安全なのです。事業譲渡ですと、諸々の手続きを新会社でし直さなければならない、という手続きの面倒さがあります。逆にいうと、そのノウハウとスキルさえあれば、リスクヘッジしつつ希望の事業を引き継げるので、魅力的なM&Aの手法となり得ます。

地方の中小企業オーナーは、それぞれが知人同士であるケースが多く、オーナー同士の口頭交渉で譲渡契約が決定してしまうことがあります。信頼関係が構築されている上での口頭交渉ですが、売主オーナー的には自社の内在するリスクを認識していないケースがほとんどです。
 
信頼関係を崩すことなく、買い手側のリスクをヘッジする手段として、M&A手法として事業譲渡は増えていくだろうな、と確信しています。
 
 
 
 
 
②M&Aアドバイザーは総合的スキルが求められていく!?
 
極端な話、これまでのM&Aアドバイザーはマッチングさえ出来ればよかった節があります。
大企業同士のM&Aでは、お互いが優良企業同士であることが多いので黙っていてもそれぞれが勝手に交渉を進めてくれます。

しかし、今後スモールM&A(サラリーマンが副業で事業買う、とか)が進んでいくと、売り手も買い手も優良であるケースは少ないので(ほぼない)、寄り添ってサポートしてあげる存在、即ちスーパーマン的アドバイザーの存在が必要になってくる事でしょう。
 
特に、地方におけるM&Aは、オーナー同士が信頼関係をベースに、仰々しい手続きや精査などを行わずに契約まで進んでしまうことが多いです。そこを仰々しくすることで、M&Aのチャンスを逃してしまう可能性もあるため、買い手のオーナーも深く切り込んで精査ができなかったりします。

変化の激しい時代です。これからのローカル版M&Aの場面では、契約までの流れをしっかりするよりも契約後のリカバリー能力を強化していく時代になると思うのです。

そのために必要なこと。それは、より一層の業界理解(いろんな業界のビジネスモデルを知っている。商流を知っている力)、課題解決力、などではないでしょうか。
 

 
 
 

③そんなこんなで、まとめ
 
と、上記から地方版M&A、スモールM&A普及において、M&Aアドバイザーの質がより問われる時代になっていくと思いました。
 
オーナー同士のノリと勢いでの合体、契約までのスピード感は予想以上に早く、今後もますます勢いづいていくと思います。しかし、数年後(1〜2年後のイメージ)に思わぬところでほころびが出てくると、一気に崩壊するリスクがある気がします。
 
ここをどう考えるか。リスクがあるからやらない選択をするか、リスクをヘッジする新しい方法を考えるか、この違いで3年後の差は相当広がるだろうな、と思いました。

 

そのための準備をするのかしないのか、どちらを選びますか?

「私はスーパーマンだ!!」
「てかそれ、普段の業務でも(願わずしてだけど)やってるやつじゃん!」

そんな、これからM&A業務を始めていきたいと考えている事業者・士業の先生方、一緒に地方のスモールM&Aを盛り上げていきませんか?地方の活性化は、自ずと自社の発展にもつながると思います。

 

という長い宣伝でした笑。
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